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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
横浜市立大学附属病院における若年性ぶどう膜炎の疫学的検討(2011〜2014年)
著者: 浅見茉利奈1 石原麻美1 澁谷悦子1 蓮見由紀子1 木村育子1 河野慈1 井田泰嗣1 竹内正樹1 山根敬浩1 水木信久1
所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科眼科学教室
ページ範囲:P.1105 - P.1110
文献購入ページに移動対象と方法:2011年4月〜2015年3月に当院を受診した19歳以下のぶどう膜炎初診患者63例を対象とし,原因疾患と臨床像を診療録より後ろ向きに調査した。
結果:初診時平均年齢は13.1±4.7歳(15歳以下60.3%)で,女児(65.1%)が多かった。前部ぶどう膜炎(50.8%)が最多で,次いで汎ぶどう膜炎(42.9%)であった。両眼性(65.1%),非肉芽腫性(65.1%)が多く,全身疾患に伴うものは27.0%であった。上位原因疾患は,若年性特発性関節炎(12.7%),CIC(chronic iridocyclitis in young girls)(7.9%),間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(6.3%)であり,同定不能例(52.4%)が最も多かった。眼合併症は46.0%にみられ,黄斑浮腫・変性(23.8%),視神経乳頭発赤・腫脹(22.2%),白内障(20.6%),高眼圧/緑内障(19.0%),帯状角膜変性(11.1%)であった。全身治療を行った症例は36.5%,手術(全例,白内障手術)を要した症例は9.5%であった。
結論:若年性ぶどう膜炎患者では女児,両眼性,前部ぶどう膜炎が多く,原因疾患では若年性慢性虹彩毛様体炎(若年性特発性関節炎およびCIC)が多かった。
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