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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
近年の小児ぶどう膜炎の臨床的特徴
著者: 吉岡茉依子1 小野ひかり1 春田真実1 南高正1 眞下永1 下條裕史1 岩橋千春2 大黒伸行1
所属機関: 1地域医療機能推進機構大阪病院眼科 2住友病院眼科
ページ範囲:P.1111 - P.1117
文献購入ページに移動対象と方法:地域医療機能推進機構大阪病院で,2010年7月〜2017年3月にぶどう膜炎と診断された初診時16歳未満の56症例92眼を対象とした。性別,初診時年齢,初診時視力,受診動機,診断,治療,合併症などについて検討した。
結果:女児が40例と多く,初診時年齢は6歳以上が53例であった。初診時矯正視力は1.0以上が53眼と約半数であり,最も多い受診動機は充血で28例であった。前部ぶどう膜炎が34例と多く両眼性が36例であった。確定診断が可能であった症例は18例で,chronic iridocyclitis in young girls 5例,ベーチェット病3例,tubulointerstitial nephritis and uveitis syndrome・ヘルペス性ぶどう膜炎・強膜炎・若年性特発性関節炎に伴うぶどう膜炎がそれぞれ2例,急性前部ぶどう膜炎・multifocal choroiditisがそれぞれ1例であった。34例で全身治療が施行され,続発緑内障,虹彩後癒着,白内障などの合併症が62眼にみられた。
結論:当院に受診した小児ぶどう膜炎症例は女児,6歳以上,視力良好例,充血の主訴が多かった。前部ぶどう膜炎,両眼性,全身治療施行例が多い,ということであった。
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