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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
乳頭上網膜細動脈瘤破裂に伴い網膜動脈分枝閉塞症を発症した1例
著者: 園部智章1 永里大祐1 亀岡真弘1 松葉真二1 清水有紀子1 今村日利1 山内知房1 田淵仁志1 三田村佳典2
所属機関: 1ツカザキ病院眼科 2徳島大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1149 - P.1152
文献購入ページに移動症例:48歳の男性が左眼飛蚊症,下半盲を自覚し受診した。
所見と経過:矯正視力は右1.5,左0.2で,左眼に視神経乳頭上の網膜細動脈瘤とその周囲の網膜下出血,網膜前出血,耳上側の網膜白濁を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影検査にて上耳側網膜動脈の灌流遅延を認めた。インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査では乳頭上に蛍光貯留を認めた。漿液性網膜剝離を伴う黄斑浮腫に対し抗VEGF薬硝子体注射を2回施行し,黄斑浮腫,網膜下出血,網膜前出血は消失した。視力左(0.9)に改善し,治療後24か月で再発はない。
結論:本症例では,乳頭上網膜細動脈瘤破裂に伴い,網膜動脈分枝閉塞症および黄斑浮腫を認めた。乳頭上網膜細動脈瘤破裂に伴い発症した黄斑浮腫に抗VEGF薬は有用であった。
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