文献詳細
特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[6]
原著
治療開始後に肺結核への罹患が判明した糖尿病網膜症3例
著者: 玉城麻夏1 大内亜由美1 坂西良仁1 李亜美1 海老原伸行1
所属機関: 1順天堂大学医学部付属浦安病院眼科
ページ範囲:P.1161 - P.1167
文献概要
症例:1例は女性,2例は男性で,年齢はそれぞれ31,54,59歳である。3例とも未治療の増殖糖尿病網膜症として受診した。
所見と経過:それぞれ3か月,4か月,7か月の隔離と肺結核に対する加療を必要とした。3例とも結核の治療中に増殖網膜症が進行し,視力が低下した。硝子体手術により,術前と術後の視力は,それぞれ0.1から0.7,0.1から0.4,0.04から0.5に改善した。
結論:肺結核に併発した増殖糖尿病網膜症では,結核の治療中での不十分な眼科診療や,厳格な血糖コントロールにより,網膜症が悪化することがあることをこれら3症例は示している。増殖糖尿病網膜症,特に長期間未治療の症例では,呼吸器症状があるとき,結核感染にも注意するべきである。
参考文献
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