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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻8号

2018年08月発行

文献概要

特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著

黄斑部疾患に対する硝子体白内障同時手術での術後屈折誤差の検討

著者: 忍田栄紀1 町田繁樹1

所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター眼科

ページ範囲:P.1175 - P.1179

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要約 目的:白内障単独手術で挿入すべきIOLを硝子体白内障同時手術で挿入すると屈折誤差が生じる可能性がある。そこで,硝子体白内障同時手術において予測屈折値と術後屈折値を比較し,その誤差を検討した。

対象と方法:対象は特発性黄斑円孔(MH)と特発性黄斑上膜(ERM)に対し硝子体白内障同時手術を施行した111眼。MHは55眼,ERMは56眼で,白内障のみ施行した50眼を対照とした。超音波Aモード法(Aモード)または光学式眼軸長測定装置(IOLマスター)にて眼軸長測定,IOL度数決定を行い,予測屈折値と術後屈折値の誤差をレトロスペクティブに検討した。

結果:3疾患すべて近視寄りの屈折誤差を認め,Aモード群でMHはERMと白内障より,IOLマスター群でMHとERMは白内障より有意に屈折誤差が大きかった。

結論:今後さらなる硝子体白内障同時手術の増加が予想され,硝子体白内障同時手術を行う際には術後の屈折誤差を考慮したIOL度数決定が必要であると考えられた。

参考文献

1)立脇裕子・廣辻徳彦・河原 彩・他:硝子体白内障同時手術後の予想屈折値のずれに関する検討.IOL & RS 17:284-287,2003
2)鈴木幸彦・桜庭知己・水谷英之・他:白内障硝子体同時手術における術後屈折値と予想値の差.日眼会誌103:318,1999
3)Olsen T:Sources of error in intraocular lens power calculation. J Cataract Refract Surg 18:125-129, 1992
4)玉野明野・小島隆司・吉田則彦・他:黄斑上膜症例におけるIOLマスターと超音波Aモードによる眼軸長測定値の比較.視覚の科学29:132-136,2009
を用いた眼軸長測定と術後屈折誤差の検討.臨眼65:1833-1837,2011
6)忍田栄紀・松本行弘・筑田 眞:黄斑部疾患に対する硝子体白内障同時手術での屈折値の予測と実測の比較.眼臨紀2:1164-1167,2009
の波形別術後屈折誤差の比較.眼臨紀9:815-818,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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