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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

副鼻腔真菌症に続発した海綿静脈洞血栓症と内頸動脈瘤による眼窩先端部症候群の1例

著者: 戸田亜以子1 坂口紀子1 伊丹雅子1 宮本加織1 渡辺恭一2 木林並樹3 荒木亮一4 瀬口次郎5 平松匡文6

所属機関: 1岡山市立市民病院眼科 2岡山市立市民病院脳神経外科 3岡山市立市民病院耳鼻いんこう科 4岡山大学病院眼科学教室 5岡山済生会総合病院附属外来センター眼科 6岡山大学病院脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1277 - P.1283

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要約 目的:副鼻腔真菌症から海綿静脈洞血栓症と海綿静脈洞部の内頸動脈瘤が生じ,眼窩先端部症候群が発症した1例の報告。

症例と経過:糖尿病と膀胱癌の既往がある82歳女性に,2日間の発熱後,右眼瞼腫脹と外転神経麻痺が生じ,さらに2日後に右眼瞼下垂と眼球運動全障害が生じた。頭部のMRIで,右側の海綿静脈洞血栓症,右海綿静脈洞部の内頸動脈瘤と左上顎洞炎が発見された。眼科を紹介され,右眼窩先端部症候群と診断された。その後,左海綿静脈洞から上眼静脈に及ぶ血栓が生じ,内頸動脈瘤も急速に増大した。左上顎洞の副鼻腔炎への手術で,アスペルギルス感染が判明した。動脈瘤の治療として内頸動脈の結紮術が行われた。手術の合併症はなかったが,動眼神経麻痺は残った。

結論:副鼻腔感染を伴う眼窩先端部症候群では,感染性内頸動脈瘤や海綿静脈洞血栓症が原因になることがある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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