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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
90歳以上の高齢者糖尿病に対する眼科診療の実態
著者: 加藤真央1 福嶋はるみ1 加藤聡2 廣瀬晶1 佐伯忠賜朗1 佐伯新子1 片桐真樹子1 鈴木裕太1 小城原理穂1 竹島圭悟1 北野滋彦1
所属機関: 1東京女子医科大学糖尿病センター眼科 2東京大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1291 - P.1295
文献購入ページに移動目的:90歳以上の高齢者での糖尿病網膜症に対する管理の実態の報告。
対象と方法:当大学糖尿病センターの内科を2017年9月までの6か月間に受診した糖尿病患者のうち,90歳以上の117人を対象とし,診療録の記述に基づいて患者の背景,糖尿病網膜症の状態と治療歴を検討した。
結果:対象者のうち52人(44%)は,過去2年間に眼科を受診していなかった。眼科に定期的に通院している65人(56%)のうち,その間隔は1年に一度が16人(25%),半年に一度が14人(22%),1〜4か月に一度が35人(54%)であった。最終受診時に活動性の増殖糖尿病網膜症のある症例はなかった。10年以内に網膜症の進行防止の目的で光凝固を受けた症例はなく,5年以内に蛍光眼底造影が行なわれた症例も皆無であった。
結論:90歳以上の超高齢者では,活動性の糖尿病網膜症がなく,積極的な治療も行われていなかった。若年者と同様な定期受診ではなく,視力低下などがあった場合にのみ眼科を受診すればよいと結論される。
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