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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
ステロイドパルス療法を施行した視神経周囲炎の2例
著者: 鈴木映美1 溝口晋2 岩西宏樹3 白井久美3 雑賀司珠也3
所属機関: 1和歌山労災病院眼科 2和歌山県立医科大学紀北分院眼科 3和歌山県立医科大学眼科学講座
ページ範囲:P.1303 - P.1308
文献購入ページに移動症例:症例1は54歳女性。左眼視力低下,視野障害,頭痛を主訴に受診した。症例2は31歳女性。半年前からの右眼視力低下を主訴に前医を受診し,視野検査にて右中心暗点が疑われ受診した。
所見と経過:いずれもMRIにて視神経周囲の高信号像を認めた。前眼部や眼底に異常を認めなかった。ステロイドパルスを施行したところ,症例1は視力不変であったが,頭痛が消失した。症例2は視力の改善が得られた。ステロイドパルス後はプレドニゾロン内服を漸減し,中止後2例とも再発を認めた。再発後は患者の希望に応じて,1例は少量ステロイド内服で,もう1例は無投薬で管理した。
結論:視神経周囲炎に対し,ステロイドパルス治療で2例とも自覚,他覚症状の改善を得た。経過中の軽度の再発に対しては,症状に応じたプレドニゾロン少量内服で管理できた。
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