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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

群馬県乳幼児健診における視覚発達の啓発と屈折検査導入への取り組み

著者: 板倉麻理子1 板倉宏高1

所属機関: 1前橋赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1313 - P.1317

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要約 背景:群馬県での乳幼児眼科健診は,県内の35市町村の保健師,県の福祉課,眼科医などが担当している。

目的:市町村保健センターで乳幼児健診を担当している保健師に連絡し,視覚発達について保護者に説明することと,屈折検査の必要性を述べた。その後,県眼科医会の理事に眼科健診の精度向上を説明し,県の児童福祉課に研修会の開催,手引きの作成などを提案した。

結果:乳幼児の健診は,2016年5月には,3歳0〜4か月が26市町村,3歳4〜7か月が9市町村で行われていた。健診の回数は,9市町村で年間13回以上,26市町村で12回以下であった。視覚発達の説明会は行われず,屈折検査は4市町村で行われていた。視覚発達の説明会がその後行われ,屈折検査は20市町村で行われ,14市町村で実施予定になった。県児童福祉課は研修会の開催と手引きの作成を決めた。

結論:課題点を明確にすることで,群馬県での乳幼児眼科健診の精度が向上した。自動屈折計の導入で,眼科医がいない地域でも屈折検査が可能になった。

参考文献

1)八子恵子:三歳児健診を見直そう!!3歳児眼科健診における屈折検査.日視会誌39:67-70,2010
2)瀧畑能子:三歳児健診の現状と問題点.あたらしい眼科23:707-711,2006
3)瀧畑能子:弱視治療と三歳児健診.あたらしい眼科23:3-9,2006
4)谷村亞紀・中岡真美子・旭香代子・他:宝塚市における3歳児視覚健康診査の現状について.日視会誌39:165-171,2010
5)渡邉央子・河津愛由美・大淵有理・他:三歳児健診での弱視の見逃しについて.日視会誌36:125-131,2007
6)板倉麻理子・髙橋美和子・小島由加利・他:3歳児健診で見過ごされた弱視の症例.眼臨紀10:153-156,2017
7)宇部雅子・渋谷政子・工藤利子・他:3歳児健診で視力異常を指摘されなかった弱視症例.日視会誌35:189-194,2006
8)田村省悟・吉武美鈴・石橋 篤・他:延岡市三歳児健康診査における視覚検査の1次健診の見逃しについて.眼臨紀4:631-634,2011
9)野原雅彦・高橋まゆみ:3歳児健康診査における両眼開放ポータブルレフによる屈折検査.眼臨医報94:67-70,2000
10)丹治弘子・八子恵子・飯田知弘:福島市三歳児眼科健診への多施設の視能訓練士の共同参加.日視会誌39:153-158,2010
11)林 思音・枝松 瞳・沼倉周彦・他:小児屈折スクリーニングにおけるSpot Vision Screenerの有用性.眼臨紀10:399-404,2017
12)Peterseim MM, Papa CE, Wilson ME et al:The effectiveness of the Spot Vision Screener in detecting amblyopia risk factors. J AAPOS 18:539-542, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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