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臨床報告
視野検査で顕著な異常を認めなかった後頭葉梗塞の1例
著者: 中村秀雄1 蟹沢亮1 葛西幸奈1
所属機関: 1青森市民病院眼科
ページ範囲:P.95 - P.99
文献購入ページに移動症例:68歳男性が2日前からの両眼の傍中心暗点を自覚して受診した。高血圧と高脂血症で加療中であった。
所見と経過:矯正視力は右0.8,左0.6であった。症状から同名半盲が強く疑われた。ハンフリー静的視野検査C30-2の所見は正常範囲内にあった。MRIで右の後頭葉に梗塞があり,脳神経外科で入院加療を開始した。ゴールドマン動的視野検査で半盲は検出されなかった。ハンフリー静的視野検査C10-2でも顕著な異常はなく,アムスラーチャートでのみ軽度の異常所見がみられた。3次元血管造影では,後頭側頭動脈と頭頂後頭動脈が比較的明瞭に描出されていた。
結論:本症例での後頭葉後極の梗塞は,通常の視野検査では異常が検出されにくく,アムスラーチャートが有用であった。
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