文献詳細
臨床報告
乳幼児期の小児緑内障眼における角膜形状および眼球形態
著者: 岩川佳佑12 沖本聡13 木内良明1
所属機関: 1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合保健科学部門視覚病態学 2JA尾道総合病院眼科 3県立広島病院眼科
ページ範囲:P.101 - P.108
文献概要
対象と方法:2010年6月〜2015年12月の間に広島大学病院眼科において,全身麻酔下で精査した4歳未満の小児緑内障10例18眼(緑内障群),先天白内障12例15眼(白内障群)を対象とした。白内障群は,水晶体の混濁以外の異常がないものを選択して対照群とした。手持ち型オートレフラクトケラトメータを用いて平均角膜曲率半径を測定し,超音波画像診断装置を用いて前房深度と眼軸長をそれぞれ測定した。緑内障群と白内障群を対応のないt検定を用いて比較した。
結果:検査時月齢は緑内障群で9.9±11.1か月(0〜33か月),白内障群は14.6±9.0か月(2〜43か月)で有意差はなかった。眼圧は緑内障群28.0±11.8mmHg,白内障群10.5±5.0mmHgと緑内障群が有意に高かった(p=0.0012)。前房深度は緑内障群3.78±0.48mm,白内障群3.24±0.36mmで,緑内障群が有意に深かった(p=0.047)。眼軸長は緑内障群21.7±2.60mm,白内障群19.4±1.50mmで,緑内障群が有意に長かった(p=0.0083)。平均角膜曲率半径は緑内障群7.43±0.54mm,白内障群7.60±0.52mmと有意差はなかった(p=0.18)。
結論:乳幼児期の小児緑内障眼では,前房深度や眼軸長が伸長していた。しかし,平均角膜曲率半径は有意な変化がなかった。
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