icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻1号

2019年01月発行

文献概要

--------------------

あとがき フリーアクセス

著者: 井上幸次

所属機関:

ページ範囲:P.124 - P.124

文献購入ページに移動
 本号の特集はアレルギー性結膜炎だが,企画した稲谷先生が「今が旬」と銘打ったのは言い得て妙で,今やアレルギーは国民病といってよいくらい我々の生活に結びついている。かくいう私も花粉の季節になると少し眼がかゆくなる。ただ,医者ぎらい,薬ぎらいなので,そのまま放置しているので,本号の特集を書いた先生方には怒られそうだが。

 こと結膜炎に限らず,アレルギー疾患はすべてにわたって年々増えているが,なぜこんなに増えたかということについて,「好酸球手持ち無沙汰説(と私が勝手に名づけているのだが)」というのがある。昔は皆,寄生虫をもっていて,それに対応していたのが好酸球だったのだが,世の中が清潔になって,寄生虫がいなくなったので,仕事のなくなった好酸球がアレルギーに手を出すようになったという説である。この説の真偽は別にして,清潔になったこととアレルギー疾患の増加はやはり関係があると思われる。ただ油断ならないのは感染症で,そういう時代であっても,ゲリラ的に我々のスキをついてカムバックしてくる。重症アレルギーを治療するための切り札として登場したタクロリムスを使っていると,副作用として感染症を生じてしまうのもその1例である。アレルギー性結膜炎に関する特集が組まれた本号に「タクロリムス点眼使用開始後に角膜ヘルペスを生じた5例」の臨床報告が掲載されているのもまた,アレルギー疾患の隆盛を物語っているといえるのかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら