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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻10号

2019年10月発行

文献概要

Book Review

脱・しくじりプレゼン—言いたいことを言うと伝わらない!

著者: 飯原弘二1

所属機関: 1九州大学大学院・脳神経外科

ページ範囲:P.1280 - P.1280

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 医師の日常は,臨床カンファレンスから学会発表,研究成果発表会など,プレゼンの機会に事欠きません。若手の医師にとっては,初の全国学会での口演発表,中堅医師では,シンポジウムの発表,共催セミナーでの口演が当たると,大変うれしいものです。また公的研究費の獲得や公的なポストへの昇進など,プロフェッショナルとしてのキャリアをアップするうえでも,プレゼンの重要性に異を唱える人はいないと思います。しかし,いかに仕事の内容が素晴らしくても,聴衆に効果的に伝える努力を私たちは十分しているでしょうか? 今から思いますと,私も若いころ,かなり独り善がりなプレゼンをしていたように思います。

 このたび医学書院から,医療者向けに『脱・しくじりプレゼン』が刊行されました。編著者は,名著『パーフェクトプレゼンテーション』(生産性出版,1995)で有名な八幡紕芦史氏です。私自身,プレゼンの基本を八幡氏から学んだ1人です。本書は,多忙な臨床医や研究者向けに,プレゼンの極意を,マンガと丁寧なレクチャーでビジュアルに解説しています。効果的なプレゼンには,事前の情報収集と分析がまず必要なこと,聞き手に当事者意識を持たせることを示して,さまざまな場面での失敗の要因を分析しています。デリバリーとは,まさに伝えるテクニックです。内容を聴衆に理解してもらい,さらに信頼してもらえるかは,このデリバリーの技術にかかっています。また,研究費の獲得や公的なポストへの昇進でのプレゼンでは,プレゼン後の質疑応答が,より大切になってきます。この質疑応答の成否は,深い意味では,プレゼンした内容が,いかにあなたの実体験に基づいているかにかかっています。本当に身についた知識や内容であれば,聴衆は本当に理解して,共感してくれると思いますが,プレゼンの目的や聴衆はさまざまだと思います。本書は,さまざまな局面で,「しくじらない」ためのノウハウを満載しています。Practice makes perfect! 皆さん,本書をひもときながら,ぜひ多くのプレゼンをしてください。その後,本書を読み返すと,さらに大きな発見があると思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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