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特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
福岡大学病院における最近10年間のアカントアメーバ角膜炎の治療成績
著者: 大塩毅1 佐伯有祐1 岡村寛能1 内尾英一1
所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1291 - P.1296
文献購入ページに移動対象と方法:2008〜2018年に当院でAKと診断し,入院治療を行った22例(男性10例,女性12例)を対象とし,背景,臨床所見,治療内容および視力予後について検討した。
結果:全例がコンタクトレンズを使用しており,21例がソフトレンズ,1例がハードレンズであった。アカントアメーバは11例(50%)から分離され,残りの症例は特徴的な臨床所見から診断した。全例に局所および全身の抗真菌薬,消毒薬点眼(0.02%グルコン酸クロルヘキシジン),角膜搔爬の3者併用療法を行った。補助療法としてペンタミジンイセチオン酸塩投与を20例(91%)に施行した。これらの治療に抵抗した5例に対して,ビッグバブル法を併用した深部表層角膜移植(DALK)を全例に行い,術中・術後合併症はなかった。平均入院期間は25日であり,AKの再燃はなかった。
結論:AKに対する3者併用療法は有効と考えられる。3者併用療法に治療抵抗性の重症例には手術治療が有用であり,良好な視力予後と治療期間の短縮が得られた。
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