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特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
小児に発症したネコ引っ搔き病によるぶどう膜炎が疑われた1例
著者: 反田蓉子1 市川浩平1 朝岡聖子1 土至田宏1 蕪城俊克2 太田俊彦1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属静岡病院眼科 2東京大学大学院医学系研究科眼科学教室
ページ範囲:P.1327 - P.1333
文献購入ページに移動症例と方法:10歳の女児が,1か月前からの左眼後極部の漿液性網膜剝離と脈絡膜新生血管で当院を紹介され受診した。1年前から春季カタルとして某医で加療中であり,半年前に左眼黄斑部に漿液性網膜剝離が生じたが,ステロイド点眼により2か月で寛解したという。
所見と経過:初診時の矯正視力は,右1.2,左0.4であった。眼圧は正常範囲で,両眼の前眼部に非肉芽腫性角膜後面沈着物,前房水中浮遊細胞,虹彩根部の前癒着があった。左眼の黄斑部に滲出性病変,両眼に乳頭の発赤と腫脹,雪玉状の硝子体混濁があった。フルオレセイン蛍光眼底造影で両視神経乳頭の過蛍光,両網膜静脈周囲炎,眼底の滲出部位と一致する過蛍光があった。ネコに噛まれたことがあり,抗
結果:ネコ引っ搔き病によると推定される小児ぶどう膜炎で,ステロイド長期内服の代替治療としてメトトレキサート内服が有効であった。
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