臨床眼科73巻11号

2019年10月発行

増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート メディカル眼科治療 各論 Ⅰ 外眼部疾患・前眼部疾患・屈折異常

単純ヘルペス角膜炎

著者： 佐々木香る¹

所属機関： ¹JCHO星ヶ丘医療センター眼科

ページ範囲：P.79 - P.84

POINT

●アシクロビル眼軟膏の副作用に注意する。

●上皮脆弱性を考慮して，局所投与と内服投与の併用を取り入れる。

●上皮型以外では，抗ウイルス薬とステロイドのバランスが肝要である。

●多発時期（冬期）に注意し，頻発例には予防投与を行う。

●診断にはPCRや抗原検出キットも有用である。

●アシクロビル耐性菌を疑う前に，本当にヘルペスかどうか，またアシクロビルの副作用による上皮障害ではないかをチェックする。

参考文献

1）高村悦子：ヘルペス性角膜炎の治療．特集/角膜潰瘍の診かた，治し方．BOCULI 59：29-35，2018

2）井上幸二：角膜ヘルペス．特集/ヘルペスウイルス感染症の細菌の知見．臨床と研究95：353-357，2018

3）白木夕起子・庄司　純・稲田紀子：単純ヘルペスウイルス角膜炎が疑われた乳児例の検討．あたらしい眼科33：711-713，2016

4）佐々木香る：わかりやすい臨床講座　線状の角膜病変からアカントアメーバを鑑別する．日本の眼科86：583-588，2015

5）湯浅勇生・近間泰一郎・戸田良太郎・他：非定型的な角膜上皮欠損症例に対する単純ヘルペスウイルス抗原検出キットの有用性．あたらしい眼科32：409-411，2015

6）宮﨑　大：難治性前眼部感染症に対するPCR．臨眼71：176-181，2017