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増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート メディカル眼科治療 各論 Ⅴ ぶどう膜炎・眼内炎症・腫瘍性疾患
真菌性眼内炎
著者: 川上秀昭1 田中大貴2 望月清文2
所属機関: 1岐阜市民病院眼科 2岐阜大学医学部附属病院眼科
ページ範囲:P.282 - P.289
文献購入ページに移動●真菌性眼内炎症例の多くは,悪性腫瘍,大手術後,糖尿病,副腎皮質ステロイド薬使用,抗菌薬全身投与あるいは中心静脈カテーテルの長期留置などの既往を有する。
●全身所見としては抗菌薬不応性の発熱,白血球あるいはCRPの炎症反応,血清β-D-グルカン高値あるいは真菌血症を呈し,眼底では後極を中心とした黄白色滲出斑,網膜出血,羽毛状あるいは雪玉状硝子体混濁がみられる。
●診断後は原因菌種および眼内移行を考慮して,抗真菌薬の全身投与を開始する。治療開始後3〜5日目に病態の改善がみられない場合には系統の異なる薬剤への変更を考慮する。
●視力障害をきたす危険性のある病巣が中心窩あるいはその近傍に存在する症例,あるいは手術不能例では,速やかに抗真菌薬の硝子体内投与を計画する。
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