文献詳細
増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート
メディカル眼科治療 各論 Ⅵ 網膜硝子体疾患
文献概要
POINT
●初期の網膜色素変性は夜盲と羞明が主症状である。夜盲は10〜20代で始まり1),羞明は視野検査で暗点がみられない時期から存在することがある。日常生活では夜間の外出・運転以外には困難を感じることはない。
●中期では視野狭窄とともに夜盲が進行し2),室内でも薄暗い場所での移動が難しくなる。将来的に,車の運転をしなくてもよい環境や,運転業務従事者には業務内容の変更を助言していく時期である。
●後期の求心性視野狭窄(Goldmann視野10°:Ⅴ4e)の状態に至ると,慣れない場所での単独移動が難しくなり,読み書きの速度も低下してくる。矯正視力が0.3以下では読み書きに拡大補助具が必要になる。
●初期の網膜色素変性は夜盲と羞明が主症状である。夜盲は10〜20代で始まり1),羞明は視野検査で暗点がみられない時期から存在することがある。日常生活では夜間の外出・運転以外には困難を感じることはない。
●中期では視野狭窄とともに夜盲が進行し2),室内でも薄暗い場所での移動が難しくなる。将来的に,車の運転をしなくてもよい環境や,運転業務従事者には業務内容の変更を助言していく時期である。
●後期の求心性視野狭窄(Goldmann視野10°:Ⅴ4e)の状態に至ると,慣れない場所での単独移動が難しくなり,読み書きの速度も低下してくる。矯正視力が0.3以下では読み書きに拡大補助具が必要になる。
参考文献
1)Tanino T, Ohba N:Studies on pigmentary retinal dystrophy. Ⅱ. Recordability of electroretinogram and the mode of inheritance. Jpn J Ophthalmol 20:482-486, 1976
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4)仲泊 聡:障害告知の方法とタイミング.臨眼68:142-147,2014
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8)守本典子:ロービジョンケアと社会の連携 教育・就労.山本修一・他(編),ロービジョンケアの実際(専門医のための眼科診療クオリファイ)26,.247-251,中山書店,東京,2015
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10)永井春彦:ロービジョンへの対応—American Academy of Ophthalmology(AAO)のスマートサイト.日本の眼科82:1351-1352,2011
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