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連載 眼炎症外来の事件簿・Case6
黄斑の網膜全層に及ぶ病巣と周辺部網膜滲出斑が同時にみられた1例
著者: 岩橋千春1 大黒伸行2
所属機関: 1住友病院眼科 2JCHO大阪病院眼科
ページ範囲:P.194 - P.197
文献購入ページに移動主訴:左視力低下
既往歴・家族歴:20歳時に事故で脾臓摘出
現病歴:1年前から左眼の視力低下の自覚があり前医を受診し,角膜後面沈着物を伴う前房内炎症,硝子体混濁を認めたため,ステロイドのテノン囊下投与を3回施行するも炎症の改善を認めなかった。悪性リンパ腫を疑い硝子体手術を施行したが,硝子体液中のインターロイキン(interleukin:IL)-6 181pg/ml,IL-10 10pg/ml,細胞診negativeであり,悪性リンパ腫は否定的であった。術後にステロイドの内服加療も追加したが,経過中に黄斑部に滲出斑が出現したため,当院眼炎症クリニックを紹介され受診となった。なお,当院紹介時にはプレドニゾロン20mg内服および0.1%ベタメタゾン点眼1日4回が処方されていた。
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