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特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
眼科他疾患に対する治療中に眼科にて発見された頭蓋内疾患の2例
著者: 木村芽以子1 坂西良仁1 海老原伸行1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院眼科
ページ範囲:P.297 - P.306
文献購入ページに移動症例:症例1は10歳,男児。3歳時より不同視弱視で通院中であり,眼鏡装用により両眼とも矯正視力(1.2)で推移していた。受診時に左視力(0.9)と低下しており,眼底検査を行ったところ,両眼うっ血乳頭を認めた。頭部画像検査で脳室拡大を認め,水頭症の診断となった。脳神経外科で内視鏡下第三脳室開窓術を行い,視力(1.5)まで回復した。症例2は44歳,男性。右網膜静脈分枝閉塞症で紹介され,初診時視力は右(0.3),左(1.2)であった。右眼黄斑浮腫に対し抗血管内皮増殖因子薬治療を開始し,数回の再発を繰り返しながら浮腫は改善したが,視力は右(0.05)と不良であった。視野検査を施行したところ,視野欠損を認め,頭部画像検査にて下垂体腫瘍を認めた。機能性腫瘍であり,内服治療で視力(1.2)まで回復した。
結論:眼科治療中に原疾患では説明できない視力低下をきたした場合には,頭蓋内疾患など他の原因検索を積極的に行う必要があると考えられた。
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