文献詳細
特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[1]
原著
ロービジョン外来を受診した緑内障患者と網膜色素変性症患者のQOLの評価
著者: 井上賢治1 鶴岡三惠子1 石田恭子2 富田剛司2
所属機関: 1井上眼科病院 2東邦大学医療センター大橋病院眼科
ページ範囲:P.361 - P.367
文献概要
対象と方法:ロービジョン外来を受診した緑内障患者107例(男性67例,女性40例)とRP患者83例(男性48例,女性35例)を対象とし,患者の特徴とVFQ-25(面接式)を用いてQOLを評価し,比較した。
結果:平均年齢は緑内障患者(67.6±14.2歳)がRP患者(56.1±16.6歳)より有意に高齢であった(p<0.0001)。60歳未満の就労者は緑内障患者(69.7%)とRP患者(70.6%)で同等であった。VFQ-25では総合スコアコンポ7は緑内障患者(36.3±14.4点)がRP患者(46.9±19.2点)より点数が有意に低かった(p=0.0001)。一般的見え方,目の痛み,近見視力による行動,遠見視力による行動,社会生活機能,心の健康,役割機能,自立,色覚の9つの尺度で緑内障患者がRP患者より点数が有意に低かった(p<0.05)。
結論:VFQ-25では一般的健康感,周辺視野,運転の3項目以外で緑内障患者がRP患者に比べ点数が低く,身体的,精神的,社会的なQOLが緑内障患者で低いことが示された。
参考文献
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