文献詳細
特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[2]
原著
ぶどう膜炎に伴う続発緑内障に対するブリモニジン点眼の短期眼圧下降効果
著者: 岩橋千春1 河共美2 春田真実2 南高正2 冨田有輝2 眞下永2 下條裕史2 狩野廉23 大黒伸行2
所属機関: 1住友病院眼科 2JCHO大阪病院眼科 3福島アイクリニック
ページ範囲:P.457 - P.462
文献概要
対象と方法:2012年5月〜2018年1月の間に地域医療機能推進機構大阪病院でBm点眼を使用したUG 341例のうち,Bm点眼追加以外に治療内容を変更しなかった,追加前眼圧22mmHg以上のUG 38例43眼(男性21例,女性17例,平均年齢53.1±17.1歳)を対象とした。白内障手術を除く内眼手術の既往症例,6か月以内の白内障手術・ステロイド注射施行例,ポスナーシュロスマン症候群の症例は除外した。投与前併用薬,投与前と投与後1か月の眼圧,隅角所見などについて後ろ向きに検討した。
結果:投与前平均眼圧は28.1±5.7mmHgであった。投与前の眼圧下降薬の平均薬剤スコアは1.9±0.8(0〜5)であり,眼圧下降薬としてβ遮断薬と炭酸脱水酵素阻害薬の合剤のみが処方されていた症例が28眼(65.1%)であった。1か月以内に治療効果不十分のために他治療を追加した症例は5眼(11.6%)であり,4眼はステロイド点眼の減量,1眼は選択的レーザー線維柱帯形成術により眼圧下降が得られた。残る38眼の投与1か月後平均眼圧は20.5±7.0mmHgであり,Bm点眼の単独追加により平均6.5±7.7mmHgの眼圧下降が得られた。投与前に比して30%以上の眼圧下降を得られた症例は17眼(39.5%)であった。Bm点眼によると思われる眼所見の悪化はなかった。
結論:Bm点眼は,少なくとも短期的には約4割の症例で30%以上の眼圧下降が得られた。
参考文献
掲載誌情報