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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著

定額の選定療養費導入義務化に伴う眼科時間外受診状況の変化

著者: 髙田幸尚1 住岡孝吉1 石川伸之2 雑賀司珠也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学講座 2和歌山県立医科大学附属病院紀北分院眼科

ページ範囲:P.463 - P.467

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要約 目的:和歌山県立医科大学附属病院では2016年7月1日より定額(5,000円)の選定医療費徴収が開始され,選定療養費導入前後の眼科時間外受診状況の変化について検討を行った。

対象と方法:2016年7〜11月(平日102日,休日51日)の当院眼科の時間外受診患者(導入後群)(平日53人,休日93人)と,2015年7〜11月(平日102日,休日51日)の当院眼科の時間外受診患者(導入前群)(平日88人,休日112人)を対象として,1日平均受診患者数(平日,休日),12歳以下の割合について,それぞれ後ろ向きに統計学的に比較検討を行った。

結果:1日平均患者数は,選定療養費導入前後で平日はそれぞれ0.89±0.98人,0.54±0.78人,休日はそれぞれ2.08±1.47人,1.73±1.30人であり,平日の受診患者数は有意に減少(スチューデントのt検定,p<0.01)したが,休日の受診患者数は有意差がなかった。休日の12歳以下の受診は導入前後でそれぞれ9人と16人であり,導入後で有意な割合増加(χ2検定,p<0.05)がみられた。

結論:定額の選定療養費導入により患者の時間外受診数は減少したが,休日の12歳以下の受診割合は増加した。

参考文献

1)林 佑子・大川記羊美・岡田由香・他:和歌山県立医科大学附属病院眼科の時間外救急受診.眼臨95:146-148,2001
2)松本 直・岡島行信・堀 裕一:東邦大学医療センター大森病院における平日救急輪番制導入後の眼科救急受け入れ状況.東邦医学会雑誌63:284-292,2016
3)鈴木誠一・恩田秀寿・上田俊彦・他:昭和大学眼科における2007年眼科救急統計—1992年および1998年との比較—.日本職業・災害医学会会誌59:27-31,2011
4)佐々木誠・茨木信博:自治医科大学眼科における時間外救急診療の統計的観察.臨眼62:1505-1510,2008
5)足立 徹・野間謙晴・佐々木崇暁・他:市立三次中央病院における眼科救急患者の統計的観察.臨眼61:417-421,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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