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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著

複数回の再発を繰り返した翼状片の1例

著者: 小森翼12 土至田宏1 朝岡聖子1 大谷洋揮1 市川浩平1 林雄介1 松崎有修1 太田俊彦1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属静岡病院眼科 2順天堂大学医学部眼科

ページ範囲:P.477 - P.482

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要約 目的:翼状片術後に再発を繰り返し,合計10回の手術を要した症例の報告。

症例:患者は58歳,男性。右眼の再発を繰り返す翼状片に対して過去5年間に2眼科医院で計5回の手術歴あり,精査加療目的で当院に紹介された。

所見と経過:右眼の初診時矯正視力は0.3で,鼻側角膜に再発翼状片を認めた。当院での初回手術術式は翼状片切除+羊膜移植術であったが3か月後に再発した。3年後に当院で2回目の手術となる翼状片切除+有茎弁移植+マイトマイシンC(MMC)塗布を施行するも2か月後に再発した。1年後に翼状片切除+表層角膜移植術を施行するも2か月後に移植片融解と再発を生じた。1年後に無切除Z型切開回転術を施行するも4か月後に再発した。8か月後に当院5回目,通算10回目の手術を翼状片切除+Host結膜反転縫合法(反転法)併用有茎弁移植術+MMC塗布の術式で計画するも,結膜下組織の癒着が強く有茎弁作製を断念。翼状片頭部と体部の一部を切除後MMC塗布し,洗浄後に翼状片断端を反転させ強膜に縫着した。術後は1年6か月間再発がなく,右眼術後視力は0.7(矯正不能)を維持している。全手術後の投薬内容は0.1%ベタメタゾン点眼4回/日,0.5%レボフロキサシン点眼4回/日,ブロムフェナクナトリウム点眼2回/日であった。

結論:翼状片が複数回再発した本例では,翼状片切除+反転法+MMC塗布により術後1年6か月間再発がない。

参考文献

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11)稲富 勉:術後管理・合併症.眼手術学4.269-272,文光堂,東京,2013
12)檜森紀子・中澤 徹・劉 孟林・他:初発・再発翼状片手術成績と翼状片再発の危険因子.あたらしい眼科25:1421-1425,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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