文献詳細
文献概要
特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
順天堂大学医学部附属静岡病院における過去10年間の開放性眼外傷の検討
著者: 市川浩平1 大谷洋揮1 朝岡聖子1 林雄介1 松﨑有修1 土至田宏1 太田俊彦1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属静岡病院
ページ範囲:P.515 - P.521
文献購入ページに移動対象と方法:2007〜2017年の10年間に,開放性眼外傷により当院を受診して加療した94例94眼の治療成績についてレトロスペクティブに検討した。眼球破裂例の視力予後ならびに視力予後因子についても検討を行った。
結果:男性61例61眼,女性33例33眼,年齢は3〜98歳(平均54.9歳)であった。眼球破裂52眼(55.3%),穿孔42眼(44.7%)であり,穿孔の内訳は,裂傷28眼(29.8%),眼内異物14眼(14.9%),二重穿孔0眼(0%)であった。視力転帰は,眼球破裂群では不良例が多く,穿孔群では良好例が多かった。硝子体手術を施行した眼球破裂例では,術前に光覚弁だった14眼のうち11眼(78.6%)に視力改善を認め,術前に光覚なしの5眼のうち3眼(60.0%)に視力改善が得られた。年齢が高いこと,網膜剝離を伴うことが眼球破裂例の視力予後不良因子と考えられた。
結論:一般に視力予後が不良な眼球破裂例においても,早期の積極的な硝子体手術の重要性が示唆された。
参考文献
掲載誌情報