文献詳細
文献概要
特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
急性網膜壊死に対しアメナメビル内服を使用した3例
著者: 中室隆子1 糸谷真保1 中野聡子1 木許賢一1 久保田敏昭1
所属機関: 1大分大学医学部眼科
ページ範囲:P.617 - P.621
文献購入ページに移動対象と方法:過去11か月間にARNと診断され,AMNVの経口投与を行った3例を対象とした。すべて片眼性で,46歳男性,72歳男性,49歳女性であった。1例は10年前に生体腎移植を受け,免疫抑制薬を使用中であった。
所見と経過:全例の前房水が水痘・帯状ウイルスに陽性であった。腎移植の既往がある1例では,アシクロビルとAMNVの長期内服で寛解した。2例目は網膜病変が周辺に限局する早期例で,AMNV内服のみで治癒した。3例目では病変が黄斑部に及び,アシクロビルとAMNVの内服を行い,予防的に硝子体手術を行った。その後新たな裂孔が生じ,再手術を必要とした。3例ともAMNVによると思われる副作用はなかった。
結論:水痘・帯状ウイルスが原因となるARNに対し,AMNVの経口投与が奏効したと推定される。
参考文献
掲載誌情報