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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻5号

2019年05月発行

文献概要

特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著

VERION®によるトーリック眼内レンズ術後回旋の測定

著者: 柳川俊博1

所属機関: 1やながわ眼科

ページ範囲:P.623 - P.629

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要約 目的:VERION®にて術直後から翌日にかけてトーリック眼内レンズ(IOL)の回旋を測定可能かを検討した。

対象と方法:対象はトーリックIOLを挿入した30例34眼。①VERION®が投影するインプラント軸(VERION投影線),特徴的な結膜血管などと角膜中央点を結ぶ線(基準線)のなす角度。②トーリックIOL上の軸マークと基準線のなす角度。③軸マークとVERION投影線のなす角度。①〜③について,術直後と術翌日の差を求めた。

結果:VERION投影線が,術直後と比較して術翌日10°以上の差があった症例は4/34(11.8%)であった。VERION投影線と軸マークのなす角度について術直後と術翌日の差が5°未満であった症例は,全例軸マークと基準線のなす角度について術直後と術翌日の差が5°未満であった。

結論:術翌日にVERION投影線と軸マークが一致していれば,トーリックIOLは回旋していない可能性が示された。ただし,VERION投影線が術直後と術翌日で異なる位置を示す症例が存在するため,注意が必要である。

参考文献

1)二宮欣彦:軸ずれ後の対策.IOL & RS 31:545-550,2017
2)トーリック眼内レンズの乱視軸ずれ.ビッセン宮島弘子・谷口沙織・南慶一郎(著):これでわかる! 高機能眼内レンズ.メジカルビュー社,東京,134-140,2018
3)Alpins NA:A new method of analyzing vectors for change in astigmatism. J Cataract Refract Surg 19:524-533, 1993
4)神谷和孝:術後検査.ビッセン宮島弘子(編):トーリック眼内レンズ.117-124,南山堂,東京,2010
5)Cha D, Kang SY, Kim SH et al:New axis-marking method for a toric intraocular lens:mapping method. J Refract Surg 27:375-379, 2011
6)Kessel L, Andresen J, Tendal B et al:Toric intraocular lenses in the correction of astigmatism during cataract surgery:a systematic review and meta-analysis. Ophthalmology 123:275-286, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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