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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻6号

2019年06月発行

文献概要

Book Review

こんなときオスラー—『平静の心』を求めて フリーアクセス

著者: 鍋島茂樹12

所属機関: 1福岡大 2福岡大病院総合診療部

ページ範囲:P.719 - P.719

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 ウィリアム・オスラーは1849年に英国領カナダに生まれ,米国に活躍の舞台を移し,1919年に英国で没した医学界の巨人である。青年時代より病理学,生理学,内科学の分野で活躍し,血小板の機能,マラリアの病型分類,オスラー結節やオスラー病をはじめとする膨大な数の業績を残している。もう一つの彼の偉大な業績は,現代に通じる医学教育の基礎を作ったことである。彼は,講義棟から学生を連れ出し,実臨床の場で「生身の患者」を通じて学生を教え続けた。

 オスラーは研究にひたすら没頭する冷徹な学者ではなく,多くの英雄が持つ徳性を豊かに持っていた。すなわち,快活さ・実行力・ユーモア・リーダーシップ・溢れる愛情といった徳である。当時も,そして現在においてもその人格は多くの人を魅了してやまず,今もって全世界に「オスラリアン」と呼ばれる信奉者を生み出し続けている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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