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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻6号

2019年06月発行

文献概要

特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著

九州大学病院における10年間の強膜内陥術の手術成績

著者: 石龍悠12 石川桂二郎1 秋山雅人1 向野利一郎1 藤原康太1 村上祐介1 長谷川英一1 中尾新太郎1 久冨智朗1 園田康平1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2国立病院機構九州医療センター眼科

ページ範囲:P.737 - P.742

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要約 目的:九州大学病院における過去10年間の強膜内陥術の成績,および網膜非復位に関する危険因子について検討する。

対象と方法:2008年4月〜2018年3月に,裂孔原性網膜剝離に対して初回手術として強膜内陥術を九州大学病院眼科(当科)で施行された264例288眼を対象とし,初回復位率,最終復位率,視力予後,術後合併症について調査した。また,非復位の危険因子についてロジスティック回帰分析を用い,裂孔位置や形態,網膜剝離範囲を含む17項目で検討した。

結果:初回手術で復位が得られたものは265眼,初回復位率は92%であり,最終復位率は98%であった。裂孔位置の上下で復位率に差があったが,有意な危険因子ではなかった。

結論:当科における強膜内陥術の初回復位率は92%と既報と同様であり,裂孔位置や形態などは非復位の危険因子ではなかった。

参考文献

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2)Halitoglou C, Brandlhuber U, Kampik A et al:Anatomic success of scleral buckling for rhegmatogenous retinal detachment—A retrospective study of 524 cases. Ophthalmologica 224:312-318, 2010
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10)中倉俊祐・小松敏郎・鳴美貴仁・他:大阪市立大学眼科における裂孔原性網膜剝離の手術成績.眼臨医5:375-378,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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