文献詳細
文献概要
特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
非強度近視眼における黄斑円孔網膜剝離
著者: 佐藤侑紀1 盛秀嗣1 山田晴彦1 髙橋寛二1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.920 - P.924
文献購入ページに移動症例:76歳,女性。右眼の霧視,変視を主訴に受診した。初診時右眼視力は0.02(矯正不能),眼軸長はIOLマスターで22.94mm,1/2乳頭径大の黄斑円孔とその周囲に約3乳頭径大の網膜剝離を認めた。光干渉断層計では黄斑円孔縁に厚い後部硝子体膜の癒着および前後方向への牽引を示す所見を認めた。白内障手術併用硝子体手術を行って黄斑部周囲に強く癒着していた後部硝子体膜と内境界膜を除去して,20%SF6ガスタンポナーデを行った。術後黄斑円孔は閉鎖せず,わずかに網膜下液も残存していたため,再度硝子体手術を行った。黄斑円孔から残存していた粘稠な網膜下液の排液を行い,再び20%SF6ガスタンポナーデを注入した。再手術後,黄斑円孔の閉鎖と網膜復位を確認し,右眼視力は0.1(矯正不能)まで改善した。
結論:非強度近視眼に黄斑円孔網膜剝離が発生する場合がある。黄斑部への強い牽引と粘稠な網膜下液が原因と考えられた。
参考文献
掲載誌情報