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特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
眼内レンズ挿入眼における自覚屈折値と裸眼視力の分布
著者: 横関祐佳子1 飯田嘉彦1 金山俊介1 干川里絵2 飯島敬1 江黒友春1 庄司信行1
所属機関: 1北里大学病院眼科 2北里大学医療衛生学部視覚機能療法学
ページ範囲:P.1021 - P.1026
文献購入ページに移動対象と方法:白内障手術にて単焦点IOLを挿入し,術後1週の時点で矯正視力1.0以上を獲得した102名198眼を対象とした。平均年齢71.4±11.3歳,平均自覚屈折値−1.09±1.27D(等価球面値)であった。遠方(5m)および近方(33cm)における術後屈折値と裸眼視力の分布について検討した。
結果:各屈折値において遠方および近方裸眼視力はばらつきがみられた。屈折値(x)と裸眼視力(logMAR)(y)は有意に相関し,近似直線は遠方裸眼視力y=−0.286x+0.04,近方裸眼視力y=0.199x+0.643となり,各屈折値における推定平均小数視力は遠方10−(−0.286x+0.04),近方10−(0.199x+0.643)で表すことができた。乱視量の程度により遠方裸眼視力は有意差があった(p<0.001)が,近方裸眼視力には有意差がなかった。
結論:IOL度数決定の際に目標屈折値に対する裸眼視力の分布および目安を把握しておくことは患者との術後の見え方のイメージの共有において有用であると考えられた。目標屈折によって術中の乱視矯正の必要性や矯正方法を検討する必要があると考えられた。
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