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特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
ポリープ状脈絡膜血管症における抗VEGF薬治療前後の光干渉断層血管撮影画像の検討
著者: 横田開人1 大中誠之1 千原智之1 木村元貴1 永井由巳1 髙橋寛二1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1143 - P.1151
文献購入ページに移動対象と方法:対象は関西医科大学附属病院にて未治療PCVに対してアフリベルセプト硝子体内投与による導入期治療後に滲出の再発を認めた症例のうち,再発の1か月前にOCTAを撮影していた4例4眼である。導入期治療前後,滲出再発前後のOCTA画像を後ろ向きに比較検討した。
結果:4例すべてで,滲出再発前に異常血管網およびポリープ状病巣部内において,en face OCTA血流信号に変化を認めた。2例は治療開始後5か月目に滲出が再発したが,その1か月前に異常血管網部に微細な血流信号を認めた。そのうち1例はen face OCTAで,導入期治療後に消失したポリープ状病巣部の血流信号の部分回復を認めた。治療開始後6か月目に滲出が再発した1例は,5か月目に異常血管網部に微細な血流信号とポリープ状病巣部の信号強度の増加を認め,治療開始後8か月目に再発した1例は7か月目に異常血管網部に微細な血流信号を認めた。
結論:PCVに対する抗VEGF療法後の滲出再発前には,異常血管網部に微細な血流信号が出現することがen face OCTAにおいて確認できた。OCTAを頻回に行い,血流信号の変化に着目することで滲出性所見の再発を予測できる可能性がある。
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