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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科73巻9号

2019年09月発行

文献概要

特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

学童期の眼軸長の変化

著者: 森隆史1 西戸知佳1 渡辺愛美1 鈴木美加1 柿沼光希1 佐藤千尋1 笠井彩香1 石龍鉄樹1

所属機関: 1福島県立医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1197 - P.1201

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要約 目的:小学校1年生と4年生の眼軸長を経年的に計測し,学童期における変化を検討した。

対象と方法:対象は2015年度小学校入学児童26名52眼(低学年児童)と4年生児童31名62眼(高学年児童)である。毎年4月の学校健診での眼科検査に加えて,光学的生体測定装置(IOLマスター®)による眼軸長測定を行い,低学年児童を3年間(1〜4年生),高学年児童を2年間(4〜6年生)追跡した。

結果:低学年児童の眼軸長は,1年生時22.48±0.77mm(平均値±標準偏差),2年生時22.89±0.80mm,3年生時23.14±0.96mm,4年生時23.40±1.09mmであった。低学年児童の眼軸長の変化は,1年目+0.41±0.21mm,2年目+0.26±0.25mm,3年目+0.25±0.19mmであった。高学年児童の眼軸長は,4年生時23.51±1.11mm,5年生時23.74±1.20mm,6年生時23.94±1.24mmであった。高学年児童の眼軸長の変化は,1年目+0.23±0.17mm,2年目+0.20±0.15mmであった。

結論:高学年では眼軸の伸長は鈍化し,ばらつきは拡大した。

参考文献

1)四倉絵里沙・鳥居秀成:近視進行と環境要因.あたらしい眼科33:1427-1433,2016
2)土井 洋・中澤 徹・布施昇男・他:非接触型眼軸長測定装置を用いた小児の眼軸長変化の検討.臨眼65:817-820,2011
3)市岡 博:学齢期に屈折変化を引き起こす諸要素.臨眼66:891-896,2012
4)安部修助:日本人小児の眼軸長に関する研究..第2報.小児の眼軸長の成長について.日眼会誌83:214-226,1976
5)所 敬:都下某小学校児童の眼軸長測定成績について.眼臨71:250-254,1977
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7)松村香代子・中田記久子・井上慎三:学童期における屈折と眼軸長ならびに角膜曲率半径の関係について.眼臨医報82:366-370,1988
8)不二門尚・神田寛行・阿曽沼早苗:近視進行抑制眼鏡の多施設共同二重盲検ランダム化比較試験.日本の眼科84:付録28-32,2013
9)大鹿哲郎・平岡孝浩:オルソケラトロジーが小児期の眼軸伸長に及ぼす影響に関する研究.日本の眼科84:付録42-50,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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