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特集 第72回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
アバンシィTM YP2.2R(NS1)の術後屈折値の経時的変化
著者: 桃﨑加央里1 岩切亮1 中尾功2 江内田寛2
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター眼科 2佐賀大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.1203 - P.1209
文献購入ページに移動対象と方法:対象は2017年2月〜12月の10か月間にアバンシィプリロード1P(YP2.2R:NS1)を使用し,白内障手術を行った32例56眼。眼軸長はUD-6000のAモードで測定した。度数計算式はSRK/T式を使用し,A定数は118.6を用い,目標屈折値を算出した。完全矯正の等価球面度数と,目標屈折値の差を屈折誤差とした。術後1週間,1か月,3か月の各時期における屈折誤差を算出し,3群間に有意差がないか検討した。統計学的解析には,クラスカル・ウォリス検定を用いた。術後各時期における等価球面度数と目標屈折値との間に有意差があるかを検討した。統計学的解析には,ウィルコクソンの符号付順位和検定を用いた。また,術後1か月の値を用いてパーソナルA定数を算出した。
結果:平均眼軸長は23.35±1.0mmであった。NS1の術後屈折誤差平均値(絶対値平均値)は術後1週間−0.43±0.43(0.50±0.35)D,術後1か月−0.41±0.46(0.49±0.37)D,術後3か月−0.36±0.47(0.48±0.34)Dとなり,それぞれ3群間に有意差はなかった。目標屈折値と術後の等価球面度数を比較すると,3群とも有意差をもって近視化していた(すべてp<0.01)。パーソナルA定数は118.28であった。
結論:新しいIOLのより正確な選択を行うためには,推奨A定数を使用し,挿入した場合誤差が生じることもあるため,術後の検証による補正も重要である。
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