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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻1号

2020年01月発行

文献概要

特集 画像が開く新しい眼科手術

企画にあたって

著者: 坂本泰二1

所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.13 - P.13

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 古くから,人々は手術名人の素晴らしさを,鬼手仏心と呼んで称賛してきました。その意味するところは,外科医は残酷なほど大胆に手術をするが,それは患者を治そうとするやさしい心からであるということでした。これは現在にも通じることで,手術で最も重要なものは術者の心であることは変わりません。しかし,手術の技術やその概念は大きく変化しつつあります。

 以前は,手先の器用さが手術技量の巧拙を決めると考えられていました。しかし,顕微鏡手術の導入や生体染色技術の進歩により,手術の巧拙を決めるのは,手先の器用さもさることながら,手術部位を正確に認知する力がより重要であることが理解されるようになりました。例えば,網膜領域の内境界膜剝離術は,内境界膜がはっきりとは見えなかったために,きわめて難しい手術でしたが,生体染色で内境界膜が見えるようになり,最近では簡単な手術の1つになりました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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