文献詳細
文献概要
連載 眼炎症外来の事件簿・Case26
白内障手術後に硝子体混濁をきたした症例
著者: 原田陽介1
所属機関: 1広島大学大学院医系科学研究科視覚病態学
ページ範囲:P.1208 - P.1212
文献購入ページに移動患者:77歳,男性
主訴:左眼視力低下
既往歴:関節リウマチでプレドニゾロン,およびメトトレキサートを内服中であった。また,前立腺肥大,右三叉神経第1枝帯状疱疹,右眼正常眼圧緑内障の既往があった。さらに右眼網膜分枝静脈閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)による硝子体出血のため8年前に白内障手術併用硝子体手術を施行されていた。
現病歴:もともと両眼にドライアイがあり,10年以上前から近医眼科に定期的に通院していた。右眼は8年前にBRVOによる硝子体出血をきたし,硝子体手術(白内障手術併用)を施行されている。1年前に左眼白内障による視力低下があり,近医で白内障手術が施行された。術後左眼矯正視力は(0.6)から(1.0)に改善するも,前房内炎症は遷延し術後1週間で左眼硝子体混濁が出現した。その後も硝子体混濁は改善せず,白内障手術後7か月で蛍光眼底造影検査をしたところ網膜血管炎も疑われたため,プレドニゾロン30mg内服を開始した。しかし,前房内炎症および硝子体混濁は改善しなかった。左眼白内障手術から9か月後,左眼の精査加療目的で広島大学病院眼科(以下,当科)に紹介され受診した。
主訴:左眼視力低下
既往歴:関節リウマチでプレドニゾロン,およびメトトレキサートを内服中であった。また,前立腺肥大,右三叉神経第1枝帯状疱疹,右眼正常眼圧緑内障の既往があった。さらに右眼網膜分枝静脈閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)による硝子体出血のため8年前に白内障手術併用硝子体手術を施行されていた。
現病歴:もともと両眼にドライアイがあり,10年以上前から近医眼科に定期的に通院していた。右眼は8年前にBRVOによる硝子体出血をきたし,硝子体手術(白内障手術併用)を施行されている。1年前に左眼白内障による視力低下があり,近医で白内障手術が施行された。術後左眼矯正視力は(0.6)から(1.0)に改善するも,前房内炎症は遷延し術後1週間で左眼硝子体混濁が出現した。その後も硝子体混濁は改善せず,白内障手術後7か月で蛍光眼底造影検査をしたところ網膜血管炎も疑われたため,プレドニゾロン30mg内服を開始した。しかし,前房内炎症および硝子体混濁は改善しなかった。左眼白内障手術から9か月後,左眼の精査加療目的で広島大学病院眼科(以下,当科)に紹介され受診した。
参考文献
1)Wensing B, de Groot-Mijnes JD, Rothova A:Necrotizing and nonnecrotizing variants of herpetic uveitis with posterior segment involvement. Arch Ophthalmol 129:403-408, 2011
2)Mak CY, Sin HP, Ho M et al:Brelen ME. Bilateral acute retinal necrosis after bilateral cataract surgery in an immunocompromised patient:a case report. Int Ophthalmol 38:1329-1332, 2018
3)吉田 淳・蕪城俊克:硝子体サンプルの解析結果の読み方(解説/特集).眼科グラフィック6:390-395,2017
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