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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻10号

2020年10月発行

文献概要

特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著

計画的虹彩切開術にもかかわらず散瞳不良であったフェムトセカンドレーザー白内障手術

著者: 井上貴久彦1 岩西宏樹2 雑賀司珠也2

所属機関: 1稲祥会稲田病院眼科 2和歌山県立医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1235 - P.1239

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要約 目的:偽落屑症候群(PE)を有する高度散瞳不良例に対し計画的フェムトセカンドレーザー白内障手術(FLACS)を施行し,術前虹彩切開後のCCC径が2.6mmであったにもかかわらず無事に水晶体再建術を遂行できた症例の報告。

対象と方法:患者は96歳,女性。両眼の視力低下を主訴に受診した。両眼にPEあり,前房はやや浅め,白内障核硬化度はエメリー・リトル分類grade 3〜4で,両眼とも散瞳不良であった。チン小帯脆弱の可能性を説明したところFLACSを希望された。

結果:FLACS施行日の約2か月前に虹彩切開術を施行し,虹彩に数か所の切れ込みを入れた。FLACS当日の瞳孔径は3.7mmで,FLACSによるCCC径2.6mm通りにCCCを施行した。フェムトセカンドレーザーで核を8分割にマンゴーカット後,型どおり水晶体を処理し眼内レンズを挿入した。

結論:高度散瞳不良例に対するFLACS施行時には,術前にあらかじめ虹彩切開をしておくオプションがある。

参考文献

1)西村栄一:チン小帯脆弱・断裂.眼科グラフィック4:116-123,2015
2)Schlotzer-Schreharedt U, Naumann GO:Ocular and systemic pseudoexfoliation syndrome. Am J Ophthalmol 151:921-37, 2006
3)森山 涼:瞳孔切開法.眼科グラフィック7:516-522,2018
4)森井勇介:フェムトセカンド白内障手術の利点.あたらしい眼科34:1003-1004,2017
5)杉田征一郞:成熟白内障に対するFLACSによる前嚢切開.あたらしい眼科34:79-80,2017
6)繪野亜矢子・真野富也:Femtosecond laser-assisted cataract surgery(FLACS).あたらしい眼科34:159-165,2017
7)繪野亜矢子:チン小帯脆弱眼におけるfemtosecond laser-assisted cataract surgery(FLACS)の有用性.眼科60:503-509,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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