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特集 第73回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
白内障術後10年以上経過観察できたぶどう膜炎併発強皮症の1例
著者: 中山馨1 上甲覚1
所属機関: 1国立病院機構東京病院眼科
ページ範囲:P.1279 - P.1285
文献購入ページに移動症例:70歳で強皮症と診断された89歳女性。
所見と経過:77歳の初診時に,両眼にぶどう膜炎,続発緑内障,角膜混濁,白内障が認められた。右眼は病的近視もあった。ぶどう膜炎と緑内障は点眼により沈静化した。術前矯正視力は,右0.01,左0.2であった。78歳時に両眼に超音波水晶体乳化吸引術(PEA)と眼内レンズ(IOL)挿入術を施行した。両眼とも術中合併症はなかった。術後最高矯正視力は,右0.04,左0.9であった。角膜上皮障害により視力低下することがあった。術後9年目から主に後発白内障のため左眼は徐々に視力は低下し,最終矯正視力は0.5であった。ぶどう膜炎の再燃はなく,眼圧は安定していた。
結論:ぶどう膜炎と緑内障が併発した強皮症患者の両眼にPEAとIOL挿入術を行い,10年間の経過は良好であった。
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