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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 1 眼瞼

眼瞼痙攣のボトックス注射

著者: 木村亜紀子1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.32 - P.33

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治療法の概要

 眼瞼痙攣の患者が「瞼がピクピクする」と訴えることはまずない。「瞼を閉じていたほうが楽」「まぶしくてしょぼしょぼする」「瞼がいったん閉じてしまうと開かない」という訴えが多い。軽症例ではドライアイとほぼ主訴が同じであることから,ドライアイ治療に抵抗する,あるいは無効例には眼瞼痙攣を疑い瞬目テストを行うとよい。重症例では機能的失明状態となり診断は容易である(図1)。

 眼瞼痙攣の診断には瞬目テストが簡便で有用である。瞬目テストには「軽瞬テスト」「速瞬テスト」「強瞬テスト」があるが,臨床的には「速瞬テスト」がわかりやすい。「できるだけ早く瞬きをしてください」と指示し,速い瞬目をさせる。途中でリズミカルな瞬目ができなくなり強く閉瞼したり,開瞼ができなくなったりすれば陽性と判断する。軽症例も見逃すことのない有用な検査で,30秒程度行えば十分判断できる1)

参考文献

1)三村 治・他(日本神経眼科学会眼瞼痙攣診療ガイドライン委員会):日眼会誌115:617-628,2011
2)三村 治・他:神経眼科34:429-443,2017
3)Mainka T et al:Parkinsonism Relat Disord 66:9-15, 2019
4)Emoto H et al:Mov Disord 25:433-439, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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