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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 2 涙道

涙管チューブ挿入術

著者: 後藤聡1234

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学 2昭和大学 3東京女子医科大学 4獨協医科大学

ページ範囲:P.36 - P.37

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手術・治療の概要

 涙道閉塞は,涙点から鼻涙管開口部までの涙道のあらゆる部分が閉塞することにより,流涙や眼脂・涙囊炎を引き起こす疾患である。その原因は諸説あるが,詳しくはわかっていない。治療法は外科的治療法しかなく,涙管チューブ挿入術と涙囊鼻腔吻合術(DCR)に大別される。DCRは閉塞部位を迂回して新たな流出経路を作製することを目的とするが,基本的には鼻涙管閉塞に対する治療である。涙管チューブ挿入術は,チューブを閉塞部位に挿入し,癒着を防止することで鼻涙管の閉塞部位を元の状態にすることが目的で,適応範囲は涙道のあらゆる部分である。DCRのほうが侵襲は大きくなるが,再閉塞が少ないとされている。

 涙管チューブ挿入術の手術適応は,涙点から鼻涙管開口部のあらゆる涙道閉塞に起因する流涙や涙囊炎である。涙管チューブ挿入術とDCRのどちらを治療法として選択するかは術者によってさまざまである。侵襲の小ささから,涙管チューブ挿入術での治療が可能であれば,そちらを第一選択とすべきである。近年,涙管チューブ挿入術の際に涙道内視鏡を併用することができるようになり,また涙道内視鏡を利用したさまざまな手技も開発されてきたため1,2),従来の盲目的な挿入に比べ手術成績や再現性は向上した。しかし,涙囊炎合併鼻涙管閉塞では,DCRを第一選択にしたほうがよい場合がある3)

参考文献

1)後藤英樹・他:眼科手術30:59-63,2017
2)後藤 聡:IOL & RS 24:554-61,2010
3)井上 康・他(監),後藤 聡・他(編):涙道内視鏡入門.pp14-161,メジカルビュー社,東京,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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