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増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 2 涙道
涙囊鼻腔吻合術—鼻内法
著者: 三村真士1
所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.38 - P.40
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涙囊鼻腔吻合術(dacryocystorhinostomy:DCR)は,鼻涙管閉塞症の治療に用いられる術式で,閉塞している鼻涙管を回避して新しく鼻内と涙囊の吻合部を作製する方法である(図1)。かつては,皮膚を切開して涙囊にアプローチする鼻外法がスタンダードであったが,より低侵襲な硬性鼻内視鏡を使用して経鼻的にアプローチする鼻内法(図2)が発展し,現在ではスタンダードとなっている施設が多い。
鼻涙管閉塞のもう1つの治療法として,涙管チューブ挿入術を用いた涙道再建術(図3)があるが,両者にはそれぞれメリット・デメリットがあるため,手術適応を決める際には両者の比較を説明する必要がある(後述)。現時点では両者の適応を決める明確なガイドラインはなく,海外では涙管チューブ挿入術では再発率が高いため,涙管チューブ挿入術は,機能性流涙症もしくは涙道狭窄症,DCRは涙道閉塞症を適応するが1),わが国では涙管チューブ挿入術の治療成績が海外に比して良好であるため,上記および患者の社会的背景を鑑みて術式を選択する。
涙囊鼻腔吻合術(dacryocystorhinostomy:DCR)は,鼻涙管閉塞症の治療に用いられる術式で,閉塞している鼻涙管を回避して新しく鼻内と涙囊の吻合部を作製する方法である(図1)。かつては,皮膚を切開して涙囊にアプローチする鼻外法がスタンダードであったが,より低侵襲な硬性鼻内視鏡を使用して経鼻的にアプローチする鼻内法(図2)が発展し,現在ではスタンダードとなっている施設が多い。
鼻涙管閉塞のもう1つの治療法として,涙管チューブ挿入術を用いた涙道再建術(図3)があるが,両者にはそれぞれメリット・デメリットがあるため,手術適応を決める際には両者の比較を説明する必要がある(後述)。現時点では両者の適応を決める明確なガイドラインはなく,海外では涙管チューブ挿入術では再発率が高いため,涙管チューブ挿入術は,機能性流涙症もしくは涙道狭窄症,DCRは涙道閉塞症を適応するが1),わが国では涙管チューブ挿入術の治療成績が海外に比して良好であるため,上記および患者の社会的背景を鑑みて術式を選択する。
参考文献
1)Skuta GL et al:Basic and Clinical Science Course. Section 7:American Academy of Ophthalmology, San Francisco, 2012
2)Mimura M et al:Jpn J Ophthalmol 59:266-272, 2015
3)Paulsen FP et al:Ophthalmology 108:2329-2336, 2001
4)Ali MJ et al:Ophthal Plast Reconstr Surg 35:426-433, 2019
5)Groessl SA et al:Arch Ophthalmol 115:71, 1997
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