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増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 2 涙道
涙囊鼻腔吻合術—鼻外法
著者: 中山知倫1 渡辺彰英1
所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.41 - P.43
文献購入ページに移動鼻涙管閉塞症は,鼻涙管が閉塞することにより,流涙症や涙囊炎を引き起こす疾患である。炎症に伴う涙道上皮のバリア機能の破綻が一因となっている可能性がある1)が,まだ完全には原因究明がされていない。
現在のところ,根治的な治療法は外科的治療法しかない。外科的治療法は,涙管チューブ挿入術と涙囊鼻腔吻合術(DCR)に大別される。涙管チューブ挿入術は,チューブを閉塞部位に挿入し,そのステント効果で,鼻涙管の閉塞部位を元の状態にすることが目的であるのに対して,DCRは閉塞部位を迂回して新たな流出経路を作製することを目的とする(図1)。報告により実際の治療成績はさまざまではあるが,この治療コンセプトの違いから,涙管チューブ挿入術よりもDCRのほうが侵襲は大きくなるが,涙道再建としての効果が大きいとされている。DCRの流涙改善の治療成績は術者の経験により異なるため,報告によっても異なるが,80〜99%程度2)とされる。
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