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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 6 斜視弱視

斜視手術—筋弱化術

著者: 岡本真奈1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.82 - P.84

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手術・治療の概要

 斜視とは両眼の外眼筋のバランスが崩れ,両眼の視線が合わなくなることをいい,小児では両眼視機能の発育が阻害され,成人では複視や眼精疲労が生じ,斜視角が大きい場合は整容面でも問題となる。斜視の手術には,筋弱化術,筋強化術,斜筋手術,筋移動術などがあるが,本稿では筋弱化術について解説する。

 筋弱化術には,後転術,切腱術,hang back法,Faden法などがある(図1)。手技的に難易度が高いわけではないが,術量の決定が眼位予後を左右するため,術前検査は重要である。当院では,小児の場合は,調節麻痺薬による屈折検査をルーチンで行い,屈折異常があれば屈折矯正を行い,そのうえで,交代プリズム遮閉試験で斜視角を測定する。麻痺性斜視の場合はHess赤緑試験や大型弱視鏡検査なども追加する。両眼視機能検査として,Titmus Stereo Testなどの立体視検査や網膜対応検査なども行い,最終的にはプリズム順応試験を行い,小児では術後正位を狙い,成人では術後複視をきたさないように術式を決定する。乳幼児の場合にはKrimsky法や眼位写真なども参考にしている。

参考文献

1)Mojon-Azzi SM et al:Br J Ophthalmol 95:473-476, 2011
2)初川嘉一・他:日眼会誌115:440-446,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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