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増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 8 角膜
角膜表層切除
著者: 柿栖康二1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院眼科
ページ範囲:P.134 - P.135
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角膜表層切除にはエキシマレーザーを用いた表層切除(PTK)が含まれるが,本稿ではゴルフ刀などを用いて,マニュアルで表層に限局した角膜混濁や角膜感染症病巣部を除去する方法について解説する。適応となる角膜混濁疾患として,カルシウム塩が上皮下に沈着する帯状角膜変性症(図1a),隆起性病変を呈する角膜アミロイドーシスやSalzmann結節変性,眼表面扁平上皮新生物(ocular surface squamous neoplasia:OSSN)などがある。術前および術後検査として,細隙灯顕微鏡検査だけではなく,前眼部OCTで切除範囲の確認や角膜形状解析装置で角膜乱視成分の評価を行うことは重要である。
手技の実際であるが,すべての疾患に共通していることはゴルフ刀やスプリング剪刀で角膜上皮の剝離や隆起性病変を除去すること,術後はバンデージ効果による上皮化促進および疼痛予防目的にて治療用ソフトコンタクトレンズ(SCL)を装用することである。特に帯状角膜変性症では角膜上皮下にカルシウム塩が沈着しているため,まずゴルフ刀で角膜上皮を剝離した後,キレート剤であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA-Na2)を十分に含ませたMQA(medical quick absorber)を数分間塗布し,カルシウム塩を除去する必要がある(図1b)1)。
角膜表層切除にはエキシマレーザーを用いた表層切除(PTK)が含まれるが,本稿ではゴルフ刀などを用いて,マニュアルで表層に限局した角膜混濁や角膜感染症病巣部を除去する方法について解説する。適応となる角膜混濁疾患として,カルシウム塩が上皮下に沈着する帯状角膜変性症(図1a),隆起性病変を呈する角膜アミロイドーシスやSalzmann結節変性,眼表面扁平上皮新生物(ocular surface squamous neoplasia:OSSN)などがある。術前および術後検査として,細隙灯顕微鏡検査だけではなく,前眼部OCTで切除範囲の確認や角膜形状解析装置で角膜乱視成分の評価を行うことは重要である。
手技の実際であるが,すべての疾患に共通していることはゴルフ刀やスプリング剪刀で角膜上皮の剝離や隆起性病変を除去すること,術後はバンデージ効果による上皮化促進および疼痛予防目的にて治療用ソフトコンタクトレンズ(SCL)を装用することである。特に帯状角膜変性症では角膜上皮下にカルシウム塩が沈着しているため,まずゴルフ刀で角膜上皮を剝離した後,キレート剤であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA-Na2)を十分に含ませたMQA(medical quick absorber)を数分間塗布し,カルシウム塩を除去する必要がある(図1b)1)。
参考文献
1)熊倉重人:眼科59:1023-1026,2017
2)辻 英貴:眼科61:1197-1202,2019
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