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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 11 緑内障

レーザー線維柱帯形成術

著者: 小島祥1

所属機関: 1熊本大学大学院生命科学研究部眼科学講座

ページ範囲:P.192 - P.193

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手術・治療の概要

 レーザー線維柱帯形成術は,線維柱帯へのレーザー照射により房水流出率を改善するものとされており,正常眼圧緑内障を含む広義の原発開放隅角緑内障,落屑緑内障,高眼圧症,ステロイド緑内障,色素緑内障などが適応となる1)。最近は,線維柱帯のメラニン色素含有細胞のみをターゲットとするQスイッチ半波長Nd-YAGレーザーを使用した選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)が主流となっている。アルゴンレーザーを用いたレーザー線維柱帯形成術と比較して低侵襲で,合併症の発症率も少ない。眼圧下降効果は20〜30%程度で2),眼圧日内変動の低減も期待できる3)。点眼治療と比較した利点として,アドヒアランス不良や点眼薬による副作用の回避が挙げられる。効果減弱時に再照射することも可能である。合併症は,一過性眼圧上昇,虹彩炎,周辺虹彩前癒着などがある。また,ノンレスポンダーが30%程度存在することには注意が必要である4)

参考文献

1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:日眼会誌122:5-53 2018
2)Garg A et al:Eye 32:863-876, 2018
3)Tojo N et al:J Glaucoma 23:138-143, 2014
4)新田耕治・他:日眼会誌117:335-343,2013
5)Gazzard G et al:Lancet 393:1505-1516, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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