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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 12 網膜硝子体

硝子体手術—黄斑円孔

著者: 芳賀彰1

所属機関: 1熊本大学大学院生命科学研究部眼科学講座

ページ範囲:P.236 - P.238

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手術・治療の概要

 黄斑円孔は,特発性もしくは外傷などによって黄斑部網膜に円孔が生じ,中心視力の低下や歪視を生じる疾患である。1988年にGass1)が黄斑円孔の病態と進展に関して言及し,1991年にKellyとWendell2)が硝子体手術とガスタンポナーデで円孔を閉鎖しうることを報告したことで黄斑円孔は治療可能な疾患となった。さらに,近年のOCTの進歩によって網膜硝子体界面異常を詳細に捉えることが可能となり,黄斑円孔の病態生理に関する理解が進んでいる。

 黄斑円孔に対する硝子体手術においては網膜内境界膜(ILM)の剝離によって閉鎖率は向上し3),近年では大型や陳旧性の円孔に対して円孔周囲のILMを翻転し円孔上に被覆するinverted ILM flap technique4)を行うことで,これまで円孔閉鎖が難しかった症例に対しても良好な初回円孔閉鎖率を得ることが可能となってきている。

参考文献

1)Gass JD:Arch Ophthalmol 106:629-639, 1988
2)Kelly NE et al:Arch Ophthalmol 109:654-659, 1991
3)Cornish KS et al:Ophthalmology 121:649-655, 2014
4)Michalewska Z et al:Ophthalmology 117:2018-2025, 2010
5)Gupta B et al:Br J Ophthalmol 93:1488-1491, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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