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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点 13 AMD

PDT

著者: 中井駿一朗1 三木明子1

所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学

ページ範囲:P.262 - P.263

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治療法の概要

 光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)はベルテポルフィンという光感受性物質を静脈内投与し,光感受性物質が集積した部位に非発熱性レーザーを照射することで,光化学反応を惹起し,脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)を閉塞させる治療法である(図1)。近年における加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)治療の第一選択は抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬の硝子体内注射である。しかし,抗VEGF薬硝子体内注射に抵抗性を示す症例や治療効果が減弱もしくは消失した耐性症例,ポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)に対して,抗VEGF薬硝子体内注射およびPDTの併用治療の有効性が示されてきており,PDTが再評価されてきている。併用治療の有効性の機序は,PDT後に発生するVEGFを抑制することでPDT後の網膜下出血や治療後早期に生じる滲出性変化が抑えられること,および抗VEGF薬自体のCNVへの効果である。

 抗VEGF薬療法が主流の現在においては,PDTを施行する際には抗VEGF薬硝子体内注射を併用することが一般的である。しかしながら,注射に対する心理的抵抗が強い場合や全身的な問題がある場合には,PDT単独治療も選択肢となりうる。

参考文献

1)Koh A et al:JAMA Ophthalmol 135:1206-1213, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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