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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻13号

2020年12月発行

文庫の窓から

『大同類聚方』

著者: 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1585 - P.1588

文献概要

 この「文庫の窓から」では,2007年より岡西為人の『中国醫書本草考』の案内に従って所蔵の中国医書の紹介をしてきた。現代中医学に通じる医学のできあがった金元時代の医書の紹介をし終わったところで,今回からはわが国の医書について紹介していこうと思う。初回は,平安時代に書かれた『大同類聚方』(808)を取り上げる。

 天保2年(1831)に刊行された『奇魂』(くしみたま)1)(文政7年 丹波頼理:序)の一之巻の「総論」に,佐藤方定(のりさだ)はわが国に古くから伝わる医術や医薬について,次のように述べて「神典(カミノミフミ)」を尊ぶべきであると主張する。

参考文献

1)佐藤方定:奇魂,1824
2)後藤志朗・根本幸雄:佐藤方定と『大同類聚方』.日本医史学雑誌53:166-167,2007
3)富士川游:杏林叢書 第4輯.吐鳳堂書店,東京,1922
4)富士川游:日本医学史.51-52,日新書院,東京,1941
5)後藤志朗:『大同類聚方』の問題点—同撰—について.日本医史学雑誌42:657-659,1996
6)後藤志朗:「勅撰真本大同類聚方」について.日本医史学雑誌43:85-99,1997
7)後藤志朗:新発見「大同類聚方」に関する大同三年五月三日の詔文.日本医史学雑誌45:160-161,1999
8)後藤志朗:佐藤方定の発見した『大同類聚方(延喜本・寮本)』の上表文について.日本医史学雑誌46:268-269,2000
9)後藤志朗:「勅撰真本大同類聚方」について.日本医史学雑誌43:85-99,1997
10)後藤志朗:日本最古の医薬書『大同類聚方』の謎.伊田喜光・根本幸夫(監),横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター(編):古代出雲の薬草文化.出帆新社,東京,2000
11)間壁葭子:古代出雲の医薬と鳥人.学生社,東京,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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