icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科74巻2号

2020年02月発行

文献概要

--------------------

べらどんな ハシリドコロ

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.157 - P.157

文献購入ページに移動
 医術は世界で二番目に古い職業であるという。「二番目である」と断定できないのは,イギリスのチャールズ皇太子が,どこかでこれを自称していたからである。医術が職業として成立していたのは,これが呪術とダブっていたことや,病気はときに自然に寛解することも関係していようが,生薬(ショウヤク)が昔からあったことも大きな理由になろう。

 生薬には植物性のものが多い。キナの皮からとれるキニーネはマラリアの特効薬であり,強心剤のジギタリスも3年草の草の葉から抽出される。ラテン語のdigitalisには「指」の意味があるが,これはドイツ語のFingerhut「指貫(ユビヌキ)」を英語に翻訳したからである。インカ時代の南米では,疲れたときにコカの葉を噛む癖があった。これからとれたのがコカインで,以前は点眼麻酔薬の代表であった。プロカインは「コカインの代用品」のことで,1918年に合成された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?