文献詳細
文献概要
臨床報告
ヒドロキシクロロキン投与前眼科スクリーニングの意義
著者: 齊藤令名12 横川直人3 吉野幸夫4 小川智美5 大野明子2
所属機関: 1東京医科歯科大学眼科学教室 2東京都立多摩総合医療センター眼科 3東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科 4にしこく眼科 5おがわ眼科
ページ範囲:P.225 - P.230
文献購入ページに移動対象と方法:東京都立多摩総合医療センター(当院)に通院中の全身性エリテマトーデス(SLE)患者で,2010年2月〜2017年3月にHCQ投与開始前の眼科スクリーニングを当院眼科および連携眼科クリニックで受けた全症例を対象とした。院外の眼科で詳細な情報が得られない症例は除外した。後ろ向きに電子カルテより,年齢,性別,身長,体重,HCQ投与開始量,併用薬,矯正視力,眼圧,細隙灯顕微鏡検査,眼底検査,光干渉断層計検査,視野検査,色覚検査の情報を収集した。
結果:対象は210例で,当院眼科161例,連携眼科クリニック49例であり,男性16例,女性194例であった。197例(93.8%)でHCQ投与は開始されたが,13例(6.2%)は開始されず,うち5例(2.4%)はHCQ網膜症の初期の変化を検出しにくい眼状態であったため投与を開始されなかった。SLE網膜症は3例(1.4%)に認めたが,全例でHCQが投与された。
結論:投与開始前の眼科スクリーニングは重要であるが,ほとんどの例で開始が可能であった。
参考文献
掲載誌情報